ちんたら療養日記4 

南の国からこんにちは

今日の(?)よもやま(少年時代編)

どうもこんばんは。

えー、「意志の勝利」、反響ありがとうございました。

見たいと思うのは悪趣味なのかなと内心びくびくしていたので、

ありがたくコメント頂戴いたしました。

さて。

読み終わりました。

森博嗣萩尾望都原作) 『トーマの心臓 The Lost Heart of Thoma』 メディアファクトリー

えーと、当ブログ怒涛の第一シーズンにて、この本の制作が発覚してから約一年。

とうとう!現物をゲットできましたわよ!

表紙と扉絵は、ななななんと萩尾大先生の描き下ろし!

スゴイことでありますわよ奥様!!

…と、ちょっと暴走してしまったので、今日初めてご覧になる方に解説いたします。

トーマの心臓』とは、かれこれ二十年以上前に空前の大ヒットを記録した、

萩尾望都(はぎおもと)先生の中編少女漫画です。

萩尾大先生様のスバラシサについては紙幅の都合上またの機会にしますが、

思春期の少年を描かせたら右に出るものはいない!というほど(ホントか?)、

微妙で多感な時期の少年たちの群像劇を描いたこの漫画は、

日本じゅうに空前の萩尾「ブームメント」を巻き起こしたのでした。(若干誇張)

ま、私は特に『ポーの一族』という妖しく哀しくそして美しいヴァンパネラ物語をオススメいたしますがね。

どんなお話かと言いますと。

原作の舞台は60~70年代の西ドイツの寄宿制のギムナジウム

(※ギムナジウムというのは、ドイツの中等~高等教育機関で、10歳から18歳までが学びます)

冬のある日、トーマという少年が謎の死を遂げる。

他殺の件は薄く、事故か自殺か、学校内では様々な憶測が飛び交った。

そして一月ほどたってようやく落ち着いたとき、学校中に再び衝撃が。

トーマに瓜二つの少年が、転校してきたのだ…。

小説では舞台を戦前の旧制高校に移して、

登場人物はドイツ語の渾名という設定で話が進んでいきます。

トーマから遺書を受取り、それ以来人が変わってしまったユーリ。

ユーリと同室の友人で彼を気遣いながらもトーマの死に疑問を持つオスカー、

そしてトーマに瓜二つの少年、エーリク。

この三人の人間模様と、寄宿舎の青年(原作では少年)たちの青春群像と、

そしてトーマの死とユーリの変貌の謎を絡めながら話は展開していきます。

寄宿舎での少年の謎の死。

このモティーフ、実は萩尾作品に何度も登場します。

覚えているだけでも『11月のギムナジウム』、『ポーの一族』の中の一話。

それから、『トーマの心臓』に登場するオスカーも、

『訪問者』という別個の作品では少年時代の物語として主人公になっています。

トーマの心臓』の各モティーフが、萩尾作品には反復して表れているのです。

トーマは、なぜ死んだのか。

ミステリーのようなこの謎は、「少年」という曖昧な存在の危うさとその美しさに拠っています。

初めてこの漫画を読んだとき、正直、この作品のよさが理解できませんでした。

なんだか抽象的で、意味が分からないという印象で、

それは今改めて考えると、読んだ当時は私自身が登場人物と同じ年頃だったからではないのかな、

そういう風に思います。

子ども時代の幼いころや思春期の曖昧な時期を美しく捉えることができるのは、

それを経験して卒業していないとできないのかもしれません。

ただ、現在進行形でその真っ只中にいるときは、

そういう大人たちの発言や視線が嫌で仕方がないんですけどね。

トーマの心臓』は、いわゆる腐女子的なBLとか「ショタ」萌えとは一線を画す作品だと思います。

トーマはなぜ死んだのか。

ユーリに何があったのか。

彼らの「愛」とは何なのか。

簡単に言葉にしてしまうと、「なんだそんなことで」と一笑に付される類のものかもしれません。

しかしそこには、彼らの少年であるが故の純粋さや優しさ、そしてそれ故の苦しみであふれています。

特に少年時代、つまり思春期は只中にあるときはとても苦しいもの。

だからこそ、それを卒業した大人たちは特別な思いで彼らを見ているのかもしれません。

そして、その美しさだけではなく苦しみや絶望、哀しみを『トーマ』は的確に表現しているのだと思います。

そんな作品を敬愛している森博嗣氏。

小説で一気読みした感想は…

もっかい原作読まなきゃな。

これに尽きます。

一章ごとに、原作のセリフが引用されているんですけどね。

これがたまらんのですよ。

特に萌えーなセリフ(?)を引用。

たしか、ユーリの言葉だったと思います。

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いつも いつも

生徒たちの

背にぼくは

虹色に淡い

天使の羽を

見ていた

天国の

狭き門より

くぐりいる

ことのできる

翼を

ぼくだけが

持たなかった

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!!

くーっ!!

泣けるぜ!

ていうか。

私が引用してコメントしてるせいで、この言葉の美しさを却って穢している罠。

とにかく!

読むべし!!