久しぶりに本の感想とか
どうもこんにちは。お久しぶりです。
発表準備に忙殺されたり死亡したり、色々ありましたがなんとか復活です。
最近、里中家凋落仮説ばっかり書いてるんで、違う話題をば。
これを読みました。
えー、著者は惜しくも昨年亡くなりました。若いんですよ。
著書は2~3冊しかなかったように記憶しています。
亡くなってから賞をたくさんもらったり注目されたり、
皮肉なことに当然私もそういう一人でもあるわけですが、
今更遅えよって思ってしまいますね。
えー。あらすじというかなんというか、概要はですね。
近未来が舞台で、世界は人間を「完全な健康状態」に保つため、
心身共に生府と呼ばれる機関に管理・監視されているという設定です。
んでまあ、細かいところは読んでいただくのが一番なんですけど、
で、この本の主旨はまたそれから一歩も二歩も深いんですけど、
あえてのあたくしが注目したところ。
健康イデオロギーは、恐ろしいものである。
物語では、人間は成人すると生府の管理下におかれ、
WatchMeというソフトをダウンロードさせられてあらゆる心身データが把握されます。
食事だけではなく、見るもの聞くものすべてのものが、
心身に過度な負担がかからないように予め設定され、
少しでも逸脱すると警告される世界。
そこには全てが穏やかで暖かく、優しい世界。
犯罪も病気も、悪意もない。
しかし、自分の体、自分の心が自分の好きにできない世界。
でもそれって、現在の健康嗜好を突き詰めれば簡単に行き着くわけです。
私にはこの小説が、ホラー小説に思えました。