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ちんたら療養日記4 

南の国からこんにちは

今日までのよもやま

どうもこんばんは。

色々あったんですよ。

色々あったんですけど、先程、投稿論文の査読結果が来て。

凹んでました。

んで。

そうは言っても、論文書くのへたくそだったんだから仕方ないので、

気を取り直してそれまでに書くはずだった記事を書くことにします。

赤朽葉家の伝説/桜庭 一樹

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うん。この文庫版を読んだんです。

これはね。

今までもたくさんあった、ある一家の年代記(クロニクルともいう)風の作品です。

私は今まで、こーいうのは(前)近代~二つの世界大戦期~現代、

という流れで扱った物ばかり読んでいたんですけど。

これは、日本の戦後史という形でのクロニクルである。

それから、

「女性」を基軸にしているけれど、いわゆる「おんな」の部分はあえて削られている。

作者はライトノベル出身とか、翻訳もの(海外物)が好きな方だとか言う情報は、

正直言って二の次。

それから、日本の女性を中心とした年代記にありがちな、

嫁姑のいざこざだの、育児のあれこれだの、夫との関係だの、

そういうのは一切なし。

これは、
平成の年代記だと思います。

それまでの、いわゆる土着の人間たちのどろどろとした愛憎劇、

というありがちな年代記とは一線を画しています。

読みやすくも、対象から俯瞰したような距離感のある文体。

読み進めていくと、筆者はおそらく「現代」の「私」が、

過去の祖母、母を主人公に描いていると分かります。

戦後の若者を主人公に据えたこの小説。

「現代」の語り手である「私」は、確実に今現在の無気力と言うか脱力と言うか、

なんとも過去からすると覇気のない現代社会の若者を代弁したような人物です。

でも。

その彼女だからこそ、祖母の代からの謎を解明できた。

という、なんとも皮肉(アイロニック)なオチ。

私はどちらかというと、それまでは結構激しいタイプのものを好んでいたので、

読みやすいだけでは言いきれないなんともあっさりした展開と言うか、

次第にミステリー仕立てになっていく過程がどうもこそばゆかったのです。

とはいえ、その感覚はきっと古いのだなと。

舞台になっている土地柄もあるのかもしれません。

小学校のときに初めて読んだ小説のイメージが、こびりついているのかも。

…。

とにかく、面白かったんです。