ちんたら療養日記4 

南の国からこんにちは

ひさびさの読書

どうもこんにちは。

落ち着いたとは言っても、頼まれたお仕事を全然やっていなくて、

結局慌てて作業に追われております。

なんというかね…仕方ないよね、身から出た錆。

がんばるしかあるまいよ。

とはいえ、全然はかどらないという悲しさよ…。

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)/上橋 菜穂子

¥540

Amazon.co.jp

神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)/上橋 菜穂子

¥580

Amazon.co.jp

久しぶりに読みました。これ。

大学に入ってしばらくしてから、新刊が出てると聞いて、

当時我慢できなくてハードカバーで買っちゃったんだけど、

それがどこかにいってしまい(おい)、結局文庫を買って再読。

こういうのめりこみ系の本は、すんごく久しぶりでした。

懐かしかった。

で、完結編まで無事文庫化ということで、

完結編一部~三部まで、文庫大人買い

ああ。このとき、大人でよかったと思いました。

と、いうよりね。

このシリーズを知らない方は、是非、こちらから。

精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)/上橋 菜穂子

¥1,575

Amazon.co.jp

この、「守り人」シリーズは、私にとってすごく大事なシリーズです。

初めてこの本に出会ったときを、まだはっきりと覚えています。

私が中学一年生(年がばれますなw)の秋、新聞の新刊書評欄に、この本が出てきたんです。

あの、表紙と一緒に。

「三十半ばの女用心棒が、縦横無尽に活躍する云々」とあって、

子供向けのファンタジーなのに、おばさんが主役なの?と、

当時うら若き私は首をかしげたのを覚えています。

でも、表紙絵がなんとも印象深くて、さっそく図書館にリクエスト。

で、届いたのが中間試験のときだったので、当時真面目だった私は試験後に読み始めたんですね。

それが運のつき。

この本、もう何回読んだか分かりません。

どのページにどんな挿絵があるのか、

誤植がどこにあるのかまで把握できていたくらい、読み返しました。

そうしたら、その二年後に続編(『闇の守り人』)が出て、死ぬほど驚いたのを覚えています。

その後、断続的にシリーズは続いて行って。

とうとう完結、の声を聞いた時には、私はもう大学院生になっていました。

この本の魅力は、既にあちこちで書かれているので、自分の経験と含めて。

この作品は小説としてももちろん素晴らしいのですが、

優れた文化人類学の導入テキストとしても読むことが出来ます。

なぜなら、作者の上橋菜穂子さんは、現役の文化人類学者だからです。

このシリーズは架空の世界を舞台にしていますが、

そこには、さまざまな経緯で出来た国がたくさん出てきます。

例えば、『精霊の守り人』の舞台、新ヨゴ皇国は、

南のヨゴ皇国からあらたな土地にヨゴ人が入植して建国したという設定です。

その土地には、もともとヤクーという原住民が住んでいたのですが、

彼等はヨゴ人の入植と共に山奥へ逃げてしまい、次第に混血が進んだことで、

ヤクー自体の数は国の中でほとんど消えてしまいました。

しかし、この物語では、入植したヨゴ人、原住民のヤクー、

双方の知恵を協力し合わなければ、問題は解決しないのです。

しかも、ヤクーの人々は、文字を持たないので、すべてが口承で伝えられる。

原住民と入植してきた移住者との軋轢というものは、

文化人類学のもっとも得意とする分野です。

それが伝承や習慣、儀礼なら尚更。

また、自らのルーツに対する歴史の違い、これも文化人類学でのお約束。

特に、「神話」という形が多いでしょうか。

新ヨゴの歴史を否定するかのようなヤクーの伝承に腹をたてた新ヨゴの皇子に、

主人公のバルサがつぶやいた言葉が印象的です。

「わたしは、ずっといろんな国を旅してきた。

 世界がどんなふうにできたか、いろんな国がいろんなことを言っている。

 だから、どれが本当だとか、正しいかとか、わからない」

(うろ覚えでスイマセン)

非常勤科目が文化人類学だったら、サブテキストにしてるかも知れませんね。

小説が苦手な方は、アニメにもなっていますので、是非ご覧くださいませ。お勧めです。