ちんたら療養日記4 

南の国からこんにちは

改めて戦争を考える

これ読んだ。

総統の子ら (上) (集英社文庫)/皆川 博子

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総統の子ら (中) (集英社文庫)/皆川 博子

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総統の子ら (下) (集英社文庫)/皆川 博子

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またしても、皆川博子作品であります。

あの。これ。

恐ろしいです。

ドイツでは、絶対出版できないと思います。発禁処分だと思います。

えー。

タイトルから分かる通り、第二次大戦の頃のドイツが舞台で、

しかもナチスのSS(親衛隊)の少年、青年たちが主役です。

うわあ…ガチすぎるだろお…。

あらすじを簡単に言えば、

ナチスのエリート養成機関「ナポラ」に合格した少年カールは、

そこで無二の親友エルヴィンと、その従兄でSS将校のヘルマンに出会います。

難関を突破し、厳しい訓練と学業の毎日のなか、

カールはヘルマンへの憧れを強くしていきます。

当時ドイツは、総統の下着々とドイツの再軍備化を進めていました。

第一次大戦における「屈辱の敗戦」、そして経済の破綻、政治の乱れ…。

他国に蹂躙され、他民族、そして何より「アカ」の介入と圧迫。

八方ふさがりのドイツの救世主であった「総統」は、少年たち、青年たちにとって、

まさに英雄に他ならなかった――

と、まあこんな感じで、怒涛のように物語は進んでいきます。

徹頭徹尾、ドイツ側から描いています。

だから、いわゆる私たちの知っている情報と異なるものなんかも多々、あります。

ただ。

読み終わって感じるのは、戦争に関して、

どちらかだけが「絶対的に悪い」とは、断言できないということです。

もちろん、ナチスの行った蛮行の数々は、絶対にあってはならないことです。悪いことです。

ただ、だからと言って、敗戦国だけが「悪」であったと、どうして言いきれるでしょう。

戦争という異常な状況下で、どちらかが絶対的に正しくて、絶対的に悪いなんて、

ありえないと思うのです。

戦後のこともこの本には出てくるのですが、

事実関係が完全に食い違うという場面が多々、出てきます。

そして、なにより、ナチスを支持したドイツの人々。

彼がなぜ、「総統」を支持したのか。

それはドイツの人々ばかりの責任ではないのです。

戦前期、ナチスを歓迎していたドイツの人々の描写が、胸に迫ってきます。

実際のところは違っていたとしても、当時の人々がそう「感じていた」閉塞感を、

目に見える形で打破して見せたのは、ほかでもないナチスだけだったのですから。

正直、この話は、大部分が、胸の悪くなるような描写ばかりです。

読んだ後に胸に残ったのは、おびただしい死体と汚物が転がる戦場と、

女子ども老人までもが見境なく銃殺された市街地、

そしてばたばたと捕虜が死んでいく収容所でした。

少年たちが憧れの目で見上げていた、輝かしく見えたはずの未来は、

こんな結末だったのでしょうか。

なんかうまく書けなくてスマソです。